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海の釣りを夢に描いたお正月


また竿伸しを始めるとは思わなかった、もう2度とすることはないと思っていたのだ、おととしの今頃新しい水族館に引っ越すときにそのように決めて、竿を伸す「ため木」や節をくりぬいて中通しにするピアノ線などを知人に全て上げてしまっていた。加茂北防波堤先端で

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・写真上 加茂南防波堤先端で40㎝のアイナメを釣る筆者

・写真左下 浜中海岸でイサダをとる

・写真右下 針にかけたイサダ。これでアイナメやメバルが大釣れする。

今年仕事を離れて初めての気楽な正月を迎えて、特に決まってする事も無く少々時間を持て余す毎日を過ごしていたのだが、結局思いついたのは春になってまた釣りをしよう、それも長く止めていた、、、と言うよりは忙しくて出来なかったと言った方が的を得ているが、海の釣りをしてみたいと言う思いが強く湧いてきたのだ。

もう後期高齢者の今になっては磯の先に出て、荒波をかぶりながら竹の4間竿を振りまわして尺3寸の黒鯛を狙うのはやりたくても出来やしない、せいぜい加茂の北防波堤の先で平らなコンクリートの上から2歳ものを釣るのが性に合っている、もう無理は出来ない年になったのだ。

あそこはいつも釣り人の絶えないいわば素人の場所だが、右角に構えればテトラポットに近くなる、じっくりと時間をかけて生きた「イサダ」の撒き餌をすれば奥の方からメバルや、アイナメが出てきて食いついてくれる、5月から6月にかけては良い形のタナゴやアブラコも釣れるから、細い竿で釣れば結構な手ごたえを感じることが出来る。

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イサダで釣れたメバル

大きさも数も狙ってはいない、どうせ楽しみのために竿を出すのだから、、と思ったら、ごく細に仕上げた自作の見事な庄内竿が有るのを思い出したのだ、もう10年以上にもなるが加茂の沖の離岸堤で立て続けに黒鯛の2歳物を9枚も釣ったことが有った。

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5、6月は25㎝以上のタナゴが釣れると、細い庄内竿が手元から弓なりに曲がる

細身のカーボン竿だったから面白かったのだが、其のとき釣れた2歳は決して大きくはないせいぜい25cmだった、竿がもっともっと見事に手元から曲がり、立てようと思っても起きてこないような「特性の庄内竿」を作って、ここで使ったらさぞかし面白かろうな、誰かがその様を見ていたらとんでもない大物を釣ったと羨むに違いない、しばしののちに浮いてきたのは大した奴ではなかった、、、とびっくりさせてみたいと思った。

どこかにそんな思いを満たしてくれる竹が生えているはずだ、、、探せば見つかるだろう、、そして思い付いたのが、前に行ったときに見た記憶に有った酒田市内に有る本間美術館の竹藪だった、あそこの竹は「ニガ竹」ではなく、弓の矢を作る「ヤ竹」だった。

矢竹は節から節の間に一気に割れが入ることで嫌われて、昔から殆ど庄内竿には使われてこなかったが、割れることさえ気にしなければ材質的にははるかにニガ竹をしのいでいる。

材質が固く締っていてしかも肉薄だから、いくら見事に曲がっても魚を外せばすぐに元のすらりとした姿に戻る、そして何よりも有り難いのは軽いと言う事だ、年を取った手には何よりもこの軽さがいちばんだった。

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ストーブの上に底を抜いたアルミの鍋を乗せて、正月3日から竿の伸しをしてみた

思い出してみれば平成16年の1月だったと思う、本間美術館の知人にお願いして5~6本の竹を切らせて頂いた、長いもので3間(5,4m)短いものは10尺(3m)まで思い描いた細竿を作ることが出来た、今取り出してみると確かに握りの部分に「平成16年 村上」と銘が入っている。

竹竿の性質上作ってすぐに使えるわけではなく、3年は待たねばならないのが辛いところだ、火にかけて曲りを伸して竿にしても本来の強さが出るまでには3年、大事を取れば5年も待たねばならない、竹と言うものはそうした性質を持っている。

使いたいのを我慢しながら年に2度取り出して火にかけて蝋を塗り、癖の強いところを直してゆく、それだけ手をかけた竿をなぜこれまで使わなかったのかは大した理由が有るわけではない、3年後の平成19年から新水族館の建設計画が動き出して時間が無くなったからだった。

作ってからもう12年が経過していた、ほこりを払って継いで見ると知らぬ 間にまた曲り癖が出ていた、このままでは使えない、もう一度火にかけて伸しを入れないとしなやかに曲線を描く美しさは出てこない。

戸袋の奥の方を探ったら火伸しを掛ける「大小のため木」、底を抜いたアルミの鍋,蝋の塊、軍手やマッチなど一式が出てきた、記憶にはなかったが万一にと我が家に少し残しておいたらしい、ストーブに火をつけて穂先から伸して行った、特にする事も無い身にはこの作業がなんとも楽しいことか。

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酒田市の本間美術館から採ってきたきた矢竹で作った庄内竿

我を忘れて没頭した、10数年の歳月も竿伸しの腕を鈍らせてはいなかった、まず2間半(4,5m)の3本継竿を伸してみた、やはり12年の時間は竹を鋼の様に固く締りのあるものに変えていた。

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竹の節をくり抜く作業

伸し上がった姿はいい具合だった、細身だが竹の硬さが張りを持たせしっとりと手になじんできた、この竿は節をくりぬいて中通しにして手元に小型のリールをつけよう、釣り場に合わせて糸の調節をする手間が省けるし、思いがけない大物が喰い付いたらリールを緩めて糸を出すことも出来る。

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手がもう一本欲しいところだが足を使って間に合わせる

これに8寸の(24cm)メバルか尺2寸の(36cm)アイナメが食いつけば手元から大きく曲げてくれるだろう、少々無理してもいいからリールの糸を出さずにこらえて遣り取りすれば、私の心を「夢に漂う」ようないい気分にしてくれるはずだ。

 

もしも黒鯛の尺上でもつれたらどのようにして遣り取りすればいいのか,リ ールを緩めて糸を出すか、、、しかしこの細身ではの、、、、駄目な時は諦めるほかない、一気の突っ込みで恐らくは竿を伸されて糸切れするだろう、際限なく夢が広がっていった。

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見事、節をくり抜いて竿先から出たワイヤー

穂先を継ぎなおして節をくりぬいて中通しにした、継いだところにカシューを塗り手元に小型のリールを付けた、これで完成だった。磯タモも、イサダを捕る「三ケ月網」も作ってあった、後は春を待つのみだ。

しかし焦っちゃいけない、、、まだまだこれからが冬本番で春はずいぶん先だったな、、、、。

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