旭川市で講演を終えて その 2


層雲峡を過ぎて、峠を下ったところの国道添いにドライブインや、小綺麗な売店が立ち並び、その中に「山の水族館」が有った、これが?、、と疑ったほど小さな建物だった、裏が大きな川だからそこに建物がつながっているのだろうと話し合ったが,さに有らず見た目の範囲がすべてだった、水族館と思えないほど小さな建物がひっそりと建っていた。
DSCN0399 ※ 小さな看板に「山の水族館」とある、これを見なければ信じられない小さな建物だった。そして山の中でもなく国道沿いのドライブインのよう。

ここでもクラゲ水族館の名前は轟いていた、元館長が来たと喜ばれ記念写真を撮ったり館内の案内をしてくれたり、帰りにはお土産まで頂いてしまった。

私が一番気になっていたのが開館してから今までの入館者の推移だった、大きな話題を呼んだが果たして実力はどの辺にあるのか、、、、これはそのまま新築された加茂水族館に通ずることになる。

山の水族館は日本動物園水族館協会には入っていない。入館者の推移はこうして直接伺うほかなかったのである、副館長の山内さんが案内してくれた凍る水槽も見たが思ったよりに小さかったが面白かった。
DSCN0407 オショロコマやアメマスが入っていた、イワナ釣りが好きな者にとっては見ていて飽きがこない、「このぐらいのサイズが釣れたら面白かろうな、いつも使っている細竿では持つだろうか、北海道はこんなやつがいまだにいっぱいいるのだろうか」。
DSCN0408※これが冬に凍り付く水槽で外の池を覗く作りになっている、指射しているのがイワナの仲間オショロコマ

いつの間にか引き込まれて見入ってしまった、中にニジマスの60cmほどの大物が見えた、こんなやつは釣れてもどうしようもないだろう、と思ってみていたら同行した松山さんが、「自分の釣ったニジマスはもっと大きかった」といった。
DSCN0410※ 上を泳ぐのがオショロコマの雄、下が雌。
さすが北海道だな、、と思った。
松山さんはいつも渓流では元糸が3号でハリスが2号を使っているとか、大物狙いではなくこれで普通のサイズを釣っているらしい、だからたまにかかる大物も釣り上げることが出来ると語ってくれた。

まさか渓流でハリスが2号とは、私も結構太いものを使ったが1,5号だった、今は1号だ。

隣にイトウの入った大きな水槽が有った、見事な大物が群れていた最大のもので1,2mあると解説してくれた、太さが相撲取りの太ももほどもあった、すごい迫力に感動したがもっとも感心したのは頭や尾びれの形が完全で水槽育ちとは思えない綺麗なもので、日本各地の水族館で多くのイトウを見てきたがここのが最高だった。

しかし考えさせられたのは途中から展示が切り替わり、いわゆる熱帯魚として販売されている魚が展示されていたことだ、大きな水槽にピラルクもいたまだサイズは1mちょっとで大したことなかったが、これから大きくなって迫力が出てくるのだろう。

結構熱帯魚の水槽が並んでいて、、、ここまで来て熱帯魚を見せられてもなー、、、と正直思わざるを得なかった。

日本の淡水魚は地味な色合いのものばかりで感動を与えるには物足りない感じがする、したがって淡水魚の水族館が建つと必ず熱帯魚が大きく取り入れられることになる、、、、仕方が無いのかも知れないが、何かが間違っているような気がして仕方なかった。
旭川8※ここのイトウは立派だった、太さもひれの形も全てが満点だった

もっと北海道を強く意識した展示が出来なかったものか、、、、そうすれば大きな話題を呼んで長く人気が続いたような気がした、、、、まあ何と言うかこれも3億円という予算と、お役所仕事という制約があっての企画だから精いっぱいだったと好意的に解釈してあげようと思う。

後出しじゃんけんの様にのこのことやってきて批判しては申し訳ない、しかし「底なしの沼のように入館者の減少」が続くことにならなければ良いなー、あの若い副館長がこのまま希望に満ちて仕事に取り組み続けられることを祈るほかないと取り越し苦労をした。

結構日本各地を回っていろいろな施設を見たが、大金をかけた巨大な所を除いて、うーん!こりゃーすごいと呻らせられた事はほとんど思い出せない、立地に恵まれない地方で持続的に繁盛を約束させられる施設を作ることがいかに困難なことか。

来た道を逆にたどって旭川に帰ってきたが途中から小雨になった、幸い雪にはならなかった、中国の水墨画で出てくるような高さが100mもあるような切り立った岩が川沿いに続いていた。

どんなところにも中国の観光客が居た、派手な色のダウンのジャケットですぐに知れた、加茂にもこの割合で中国から客が来たらおそらく年間の入館者は軽く100万人を超すことだろうな。
日本に外国の観光客が増えているのは確かだ、訪れる外国人が今に定番の観光コースでは飽き足らなくなって、これまで手付かずの不便な東北にも足を延ばすのも、そう遠くない現実が迫っている気がした。
旭川2※1500人は居る会場をほぼ埋めた参加者にはびっくりさせられた。
この度の目的だった私の講演は夕方の6時半から始まった、1500人は入ると言われる会場がほぼいっぱいになる程のお客様が来ていた、「まずざっと1200人は居るなー」「私如きの話をこんなに多くの方々が聞きに来てくれた」嬉しいよりも驚きだった。

腹を決めて小菅さんの故郷で話し始めた、どうなるのかとの私の杞憂をしり目にお客様の反応は良かった、喜ぶ声に載って自分の気持ちが盛り上がり楽しく90分話し終えることが出来た。
旭川6※話し終えて本の販売とサイン会が始まった、60冊の著書が売り切れた。

旭川市には他に例がないほどの実績を上げた動物園が有る、皆がそれを誇りに思って居るはずなのだが、加茂水族館のクラゲで立ち上がる話も喜んでいただけた、北海道人の温かさを感じさわやかな気持ちで壇を降りることが出来た。
旭川114人の友が私の著書の販売も手掛けてくれて、並べた60冊がアッという間に売り切れてしまった「もうないのか、、、」という声も聞こえてきたから、私の話したことが皆様の心に何かしらの思いを残したようだ。

「 字が下手ですみません 」 と云いながら本にサインを続けた。

 

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